大河ドラマ「おんな城主直虎」は朝ドラ的展開で気軽に楽しめる大河ドラマ。そんな「おんな城主直虎」には毎回どこかで見たことあるサブタイトルが並んでいます。もしかしてパクリ疑惑発生?
いやいや。パロディのようですね。真似された側の気持ちにもよるのでしょうけど。特に問題にはなってなさそうです。毎回凝ったタイトルで楽しませてくれますね。ファンの間では元ネタを探すのも楽しみのひとつになってるようですよ。
毎回見ているとタイトルの付け方にもいくつかのパターンがあるようです。
1.有名な作品のタイトルをパロディにしたもの。
2.よく使われるパターンを使用したもの。
ある作品がヒットすると他の作人も真似ることが多いので、1のパターンがが2になることもあります。
となると、どんな作品がもとになってるのか気になります。今までにわかっているタイトルと元ネタを探してみました。
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おんな城主直虎のサブタイトル元ネタ
第1回 井伊谷の少女
○○の少女。
古典的なタイトルの付け方ですね。マスメディアは「少女」に弱い。
有名なところでは「アルプスの少女ハイジ」など。
第2回 崖っぷちの姫
「崖っぷち」という言葉はバブル崩壊後の1990年代以降にマスメディアでよく使われるようになりました。
「崖っぷちの男」など。
第3回 おとわ、危機一髪
元ネタ:007危機一発
他にも多数。「○○危機一髪」は昭和世代には懐かしい響き。「黒ひげ危機一発」というゲームも流行りました。本当は「危機一髪」の方が正しいのですが、007の映画のお陰で間違う人多数。
第4回 女子にこそあれ次郎法師
元ネタ:井伊家伝記
龍潭寺に伝わる井伊家の記録に「次郎法師は女にこそあれ、井伊家惣領に生まれ・・・」という文章が出てきます。「次郎法師は女にこそあれ」の部分を前後を入れ替えたものなんですね。
第5回 亀之丞帰る
元ネタ:父帰る
菊池寛の戯曲。映画や舞台にもなった名作です。
第6回 初恋の別れ道
元ネタ:初恋のきた道
チャン・ツイィー主演の中国映画。
第7回 検地がやってきた
元ネタ:ビートルズがやってくる ヤア!ヤア!ヤア!
「○○がやってきた」はよく使われるパターン。「ビートルズがやってきた」と書かれることもありますが。元ネタは「やってくる」。
第8回 赤ちゃんはまだか
「○○はまだか」もよく使われるフレーズです。作品ではジェームス三木の「憲法はまだか」が有名。ただしネット上では女性に対するハラスメントだと思わぬ展開に・・・
第9回 桶狭間に死す
「○○に死す」もよくあるパターン。
有名なところではアガサ・クリスティの「ナイルに死す」
第10回 走れ竜宮小僧
元ネタ:走れメロス
太宰治の小説。教科書にも載ってる名作。
第11回 さらば愛しき人よ
元ネタ:さらば愛しき女よ
アメリカのレイモンド・チャンドラーのハードボイルド小説。映画にもなりました。
第12回 おんな城主直虎
番組タイトルそのまま。タイトルとサブタイトルがかぶってしまう。
第13回 城主はつらいよ
元ネタ:男はつらいよ。
寅さんでおなじみ。山田洋次原作監督、渥美二郎主演の有名な映画。
第14回 徳政令の行方
元ネタ:告発の行方
ジョディ・フォスター主演の有名なハリウッド映画。
第15回 おんな城主対おんな大名
○○対○○ は昭和の映画でよく使われたタイトル。
ゴジラ対モスラ等多数
第16回 綿毛の案
元ネタ:赤毛のアン
劇中では綿布と呼んでいましたが、タイトルは綿毛。最初は不自然なタイトルと思いました。赤毛のアンにあわせから綿毛になったのでしょうね。
第17回 消された種子島
元ネタ:007「消されたライセンス」
消された○○もよく使われるパターン。
第18回 あるいは裏切りという名の鶴
「あるいは○○という○○」というのは小説の世界ではよく使われるタイトルです。
最近ではフランス映画「36 Quai des Orfèvres」の邦題「あるいは裏切りという名の犬」が有名。ちょっとこじつけっぽいかも。
第19回 罪と罰
元ネタ:罪と罰
ロシアの文豪フョードル・ドストエフスキーの小説
第20回 第三の女
元ネタ:第三の女
アガサ・クリスティの小説。名探偵ポワロもののひとつ。
第21回 ぬしの名は
元ネタ:君の名は
大ヒットアニメ映画を思い出す人も多いと思います。でも1952年に放送され大ヒットした「NHKラジオドラマ 君の名は」が元祖。その後、映画、TVドラマにもなりました。1991年に「連続テレビ小説 君の名は」が放送されました。
第22回 虎と龍
古来中国より「虎と龍」はライバルのような関係。よく使われる例えです。「龍虎」と書く場合が多いかも。戦国時代では武田信玄を虎、上杉謙信を龍に例えることが多いです。
第23回 盗賊は二度仏を盗む
元ネタ:007は二度死ぬ
007シリーズ初の日本ロケ作品。
第24回 さよならだけが人生か
元ネタ:さよならだけが人生だ
井伏鱒二が漢詩を訳したもの。”別れは人生にはつきものだ”がもともとの意味。「人生か?」と疑問形にしたものが詩や文学作品でよく使われます。
第25回 材木を抱いて飛べ
元ネタ:黄金を抱いて翔べ
高村薫のサスペンス小説。
材木を抱いて飛んでしまう、と盗んで逃げる意味になってしまうのですが。苦しい・・・
第26回 誰がために城はある
元ネタ:誰がために鐘は鳴る(たがためにかねはなる)
ヘミングウェイの小説。映画やミュージカルになりました。
第27回 気賀を我が手に
元ネタ:勝利を我が手に
1950年代の日活の映画「港の乾杯 勝利を我が手に」。
「○○を(は)我が手に」最近ではアニメやゲームでよく使わるフレーズです。
第28回 死の帳面
元ネタ:DEATH NOTE
原作:大場つぐみ・作画 : 小畑健の漫画。映画やアニメも大ヒットしました。デスノート、直訳すると死の帳面。そのまんま。
第29回 女たちの挽歌
元ネタ:男たちの挽歌
日本でもヒットした香港映画。挽歌とは死者に捧げる歌。直虎29回では女性の登場人物に死者が出るわけではないですが。お家のために犠牲になるということで。
第30回 潰されざる者
元ネタ:許されざる者
西部劇の名作。何度も映画化されています。
まとめ
以上、思いつく限り集めてみました。もしかすると製作者が意図したのとは違うものが入ってるかもしれませんが。想像するのも楽しいものです。
創作物の世界ではどこまでがパクリで、どこまでがパロディ、オマージュなのかは微妙なところです。真似された側の気持ちや見る側の判断で変わってしまうんですね。
「直虎」の場合は意識的にタイトルにパロディを取りいているようです。中には狙いすぎて苦しいものもありますね。でも、井伊直虎自身はエピソードが少なく知名度の低い人物です。なんとかして話題を作ろうとしているようで「苦労しているな」と思えてきます。
あなたも「これがそうかな」と探してみると番組がさらに楽しくなるかもしれませんよ。
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