大河ドラマ「真田丸」で井上順さん演じる織田有楽斎。人をおだてたかと思うと、浪人達を見下したかのような態度をとります。得体のしれない人物として描かれてますね。
何を考えてるのかわからない。と思う人もいると思います。実際の有楽斎もよくわからない部分の多い人です。茶々の親族として後見人の立場にあるかと思えば、徳川家康と内通しているという研究者もいます。謎の多い人物なんですね。
ドラマでの有楽斎はどんな人物なのか探っていきましょう。
この記事にはネタバレになる内容が含まれています。ご注意ください。
織田有楽斎とはどんな人なのか
織田有楽斎として知られる人物は本名・織田長益(おだながます)。有楽斎は髪をそった後の名前です。
織田信長の弟。でも13歳も歳が離れており、信長時代にはあまり活躍していません。信長の息子・信忠や信雄に仕えたこともあります。
茶々にとっては叔父にあたるため、茶々が豊臣秀吉の側室になってからは茶々の後見人的立場にいました。
大坂の陣での働きは?
大坂の陣のころの豊臣家では長老格とでもいうべき立場でした。茶々の保護者のような立場ですから、信頼もあつかったと思われます。
その一方で大坂城の内情を徳川に伝える役目をしていたのではないかという研究者もいます。大坂冬の陣では茶々に対して助言をしているように見せかけながら、徳川に有利になるように仕向けていたかもしれませんね。
茶々に対して和議を結ぶように説得したのは有楽斎だったかもしれません。事実、有楽斎は大野治長、常高院と共に和議のために幕府と交渉します。
茶々たち豊臣方としてはいったんは和議を結んで家康が死ぬのを待つ作戦だったかもしれません。しかし幕府はその後も次々と豊臣方に対して条件を付けてきます。茶々と秀頼には認められないような内容ばかりでした。家康にとっては和議は大坂城と豊臣方を弱体化させるための手段。家康のために大坂城内部で暗躍したのが有楽斎だったという説もあります。
和睦のあと幕府よりの立場だとして浪人達から大坂城内で殺害されそうになったといいます。それを理由に大坂夏の陣の前には大阪城を脱出しました。
これも、豊臣家を滅ぼすための準備ができたため。大坂城内にいる必要はなくなったからともいえます。
その後、徳川家康にとりたてられ1万石の大名となっています。大坂冬の陣を終わらせた功績が家康に認められたからだといわれています。
真田丸の織田有楽斎は幸村の敵
大河ドラマ真田丸の織田有楽斎も「徳川と内通してるんじゃないか説」を採用しています。
豊臣方の作戦がなぜか家康に漏れてしまうのも有楽斎のせい。幸村が勝つために考えたアイデアや作戦には反対するのは、徳川家康を有利にするためにやってるんですね。
冬の陣が始まると大坂城をなかなか責められない徳川家康の命令を受けて、大坂城内を和睦へと導いていきます。茶々に対して影響力を持つ大蔵卿の局を言葉巧みに説得して和睦へと導きます。
一見、人柄のよさそうなおじいさん。味方のふりをしながら実は敵と繋がって誤った選択をさせようとする手ごわい敵として描かれているんですね。
しかし考えてみれば、実在の有楽斎は茶々の叔父であり後見人です。当時の大坂城では長老のような存在。我々が思ってる以上に発言力が強かったのかもしれません。立場を利用して家康の都合のいいように大坂方の意見を導いていく。案外、ドラマの演出ともいいきれないものがありますね。
結局、有楽斎は途中で逃げて生き残ります。江戸時代になると亡くなった茶々や大野治長たちが悪者みたいに扱われる一方で、有楽斎は野心のない文化人のような扱いを受けました。
もちろん有楽斎としてもそうなければ生きていけない状況だったのでしょう。織田信長の弟として生まれながら、成り上がりものの豊臣秀吉の下に置かれてしまう日々。みじめでもひたすら生き延びたい。ある意味人間らしい部分を表現したのが織田有楽斎というキャラクターなのかもしれません。
そんな一癖ある織田有楽斎を井上順さんがうまく演じていますね。ネットでもうさんくささいっぱいの有楽斎として話題になっています。
大坂城内を追い詰める油断できない人物
真田幸村が家康本陣に突撃したは絶望的な状況に追い込まれたから。ストーリー上、幸村を追い込むのが有楽斎の役目。だから幸村が勝つためにどんなに知恵を絞っても邪魔してきます。
それが井上順さん演じる「真田丸」での織田有楽斎なんですね。味方でありながら油断のできない人物だったかも。と思わせてくれます。今後もどんな暗躍をするのか目が離させません。
有楽斎は大阪夏の陣を前に大坂城を退去します。しかしその後も幸村たちの作戦は家康に筒抜けになってしまいます。実は連絡係が他にいたんです。有楽斎ひとりを追放してすむ問題ではありませんでした。ヒントは幸村たちが打ち合わせをしているときに近くにいる人はだれでしょう?
歴史上の織田長益(有楽斎)の記事はこちら。
・織田有楽斎とはどんな人
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