大坂歴史博物館でやってる特別展”真田丸”に行ってきました。
大河ドラマ”真田丸”に便乗した企画か?なんて思ってましたが。大坂方面に行く機会があったし歴史的な資料が見られるっていうので行ってきました。
行ってみてびっくり、なかなか気合の入った展示でしたよ。本でしかみたことのない、戦国ファンならよだれものの貴重な資料がこの目で見られたんです。こんなことめったにないですよ。普段なら日本各地で保管や展示されてるやつが一か所で見られちゃう。
大坂歴史博物館がやってるだけのことはありますね。逆に”真田丸”ってタイトルはついてますが、大河ドラマ関連の展示は一切ありません。すべて実在する歴史上の資料ばかりです。(一部複製あり)。
「ドラマの展示かよ」と思ってあなどってると損するかもしれませんよ。むしろ硬派な歴史ファンにお勧めの展示です。
実際に見に行った時の様子をレポートします。
場所は大阪城のすぐそばにある、「大坂歴史博物館」。
ちょっとしゃれた感じの建物です。NHK大坂の隣のビルなんですが。NHKとは関係ありません。大阪市立の博物館です。だから普段は大阪の歴史に関係する展示が多いです。常設展示は大阪市の歴史で。石山本願寺のころから昭和までの様子が展示してるようです。今回は時間がなかったので見ませんでした。時間とお金に余裕のある人はどうぞ。
館内に入ってみます。僕が行ったのは月曜日。午後の2時は超えてたと思います。そのせいか人はあまりいません。
1階フロアでチケットを買います。受け付けは埋まってましたが、ほとんど並ばなくても入れました。
入場料(観覧料)は特別展”真田丸”だけだと1300円。
常設展も見るなら、1770円ですね。大阪の街に興味がある人はどうぞ。僕は見ませんでした。ごめんなさい。
セット券は”大阪城天守閣と常設店”だけです。特別展は入れません。なんで特別展も入れる券がないんでしょう。でも、この日は大坂城に行く時間と体力がなかったので結局見ませんでした。
チケットを買ったら、エレベーターで6階へ行きます。
では、特別展にご案内!言いたいところですが。
展示室は 撮影禁止 です。
まあフラッシュの光は文献に使われてる色素を痛めますから。文化財保護のためには仕方ないでしょう。
特別展”真田丸”展示の内容は?
というわけで館内は画像付きでレポートできません。
でも、これ買いました。展示品の写真入り解説。2200円(税込)。
オールカラーで展示物の紹介があるし貴重な資料が見られるので重宝しそうです。歴史好き、特に戦国史好きなら欲しくなりますね。
A4番、245ページの豪華な本です。展示物の紹介はオールカラーです。
特別展も時代ごとに5つのブースに分かれて展示されてます。
武田信玄の時代から江戸時代までの戦国時代の資料が見られます。
モノクローページは、この本オリジナルの内容。
歴史の解説、天正年間の勢力図、大坂の陣布陣図、真田信繁の生きた時代の歴史上の人物、最新の研究にもとづく真田丸の構造の考察も興味深いです。近年話題の浅野家に伝わる”諸国古城図摂津真田丸”からさらに踏み込んだ考察がされてます。この本自体も資料的価値はありますね。
展示品を見ていきましょう
では特別展示の雰囲気と、気になった展示物をいくつか紹介したいと思います。(画像は書籍より引用。展示物を直接撮影したものではありません)
入ってみると・・・展実の中はなんだか人が多いんですけど。いきなり渋滞。受付の人の少なさが嘘のようです。
最初に展示してるのは”真田幸村像”。なるほど渋滞するはずです。本でよく見るアレですね。真田幸村像にはいくつか写しがあるんですが、こちらは原本らしいです。
信之が語ったという「信繁は穏やかな人だった」というイメージに近いかも。
他にも、六文銭と鹿の角がデザインされた旗とか、信繁が使ったという長刀や采配など。信繁関係の遺品が見られます。
続いては武田信玄の時代。真田幸綱(幸隆)の時代の真田家と関係する大名の資料や上田合戦のころの展示です。
やっぱり平日ということもあり、見に来てる人は年配の方が多いかな。
これも有名な真田昌幸の像が展示してあります。
でも、この絵が入ってる箱には「真田滋野信幸朝臣像」って書いてあるそうです。この絵を高野山に奉納したのは信之の側室(右京の局)の親族らしいです。信之晩年の像なんでしょうか。それとも江戸時代には真田昌幸の名前を出すことができなかったので信幸の像として奉納したのでしょうか。
上田市博物館にもよく似た像があります。というか上田の方が有名ですね。高野山にあるものの写しだそうです。今回の展示では両方見られました。確かに高野山の方が古い感じがします。写しといっても江戸時代の物なので価値は高いですよ。
他にも武田勝頼や真田信綱(昌幸の兄)時代の書状、上杉の人質時代の弁丸の書状などもあって興味深いです。
続いては関ケ原のころの資料です。
これも有名な豊臣秀吉、徳川家康、真田信之などの像があります。
展示物の前で一人動かない女性が・・・「あの、渋滞するんですけど」と内心思う。歴女?静かに見てるからいいんですけどね。斜めから見て通り過ぎました。
「直江状」や「内府ちがいの条々」、関ケ原の戦いの前に石田三成が真田昌幸親子に送った書状など。歴史ファンなら一度は聞いたことはあるおなじみの資料が生で見られました!(ガラスごしですが)
石田三成の像。明治時代に発見された遺骨から石こうで顔を再現したようなんですが。この絵は昭和になってその複製をもとに描かれたそうです。
ということは、実際の顔に一番近い像ってことでしょうか。
「石田三成って格好いい」と隣のカップルの女性が言っておりました。江戸時代の絵っぽくはないけどその分リアルかもしれない。
つづいて大坂の陣の展示。
歴史ファンの間で論争の続く真田丸関連の図面がいくつか展示されております。
ここ数年有名になった浅野家に伝わる真田丸の図も展示されてました。
これの現物が見られるとは凄い収穫です!
この絵は真田丸が壊されたあとの時代に跡地を見て浅野家の家臣が想像で書いたもの。との説明が付いていました。この図は従来の「半円形の形をした馬出しの発展型説」とは違い過ぎるので研究者の間では今でも議論は続いてるみたいです。さてどうなんでしょうか。興味は尽きません。
他にも大坂の陣関係の展示物がありました。
毛利勝永の陣羽織、徳川家や井伊家の鎧。大砲(石火矢)等々。
と、大阪の陣布陣図の前で熱く語り合う歴史マニア発見。見るからにオタク風の外観。「盛り上がるのはわかるけど、他でやれ」と心の中で思い、スルーする。
最後には「難波戦記」の実物が展示されてました。この本は江戸時代に広まり改定が繰り返されいくつかのバージョンがあるみたいです。難波戦記と言えば「真田幸村」の名前を広げて、現在信じられている幸村像を定着させた本です。昌幸~幸村~大助の活躍を描いた長編小説・真田三代記も展示していました。
他にも、有名な資料が多くて。戦国好きにはたまりません。
本やテレビでしか見たことのない歴史的資料が見られるとは夢のようです。
ドラマでは分からない本当の戦国時代が見たい人は言ってみては。
アクセス
地下鉄・中央線谷町四丁目から歩いて7分ほど。
京阪天満橋から歩いて20分ほど。
場所: 大阪市中央区大手前4丁目1-32
大坂歴史博物館のサイトはこちら。
・大阪市立大坂歴史博物館
博物館の敷地は難波宮跡?
ところで博物館の敷地は難波宮の跡地とかぶってるみたいです。
近くには難波宮跡があるのですがこのへんも一部だったみたいです。博物館の敷地内には高床式倉庫が復元されていますよ。古代史好きなら近くの難波宮跡と一緒に見ておきたいですね。
近くには大阪城、難波宮跡があり歴史好きにはたまらないエリアです。
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