楠野喜江(くすの よしえ)は2023年朝の連続テレビ小説(朝ドラ)「らんまん」の登場人物です。
演じるのは島崎和歌子さん。
楠野喜江は高知県で自由民権運動をしている女性です。
楠野喜江にはモデルになった人物がいます。
ドラマ「らんまん」の楠野喜江と、彼女のモデルになった 楠瀬喜多を紹介します。
「らんまん」の楠野喜江とは
名前:楠野喜江(くすの よしえ)
演じるのは島崎和歌子 さん。
朝ドラ「すずらん」、大河ドラマ「龍馬伝」に出演経験があります。
楠野喜江は明治初期の高知で自由民権運動をしている女性。通称「民権ばあさん」。
自由民権運動をしている政治結社「声明社」を支援しています。
高知の女性は気が強くて自立しているイメージがありますけれど。楠野喜江はその代表のような人物。演じる島崎和歌子さんも高知県出身。地元の人物を演じられることが光栄なのだそうです。
楠野喜江にはモデルになった人がいます。楠瀬喜多(くすのせ きた)という人です。実際に「民権婆さん」と呼ばれていました。
自由民権運動とは?
明治の初期。独断的な明治政府に対して国民が起こした運動。国会の開設。憲法の制定。などを訴えました。当時、県や市町村などの地方議会は国民が立候補して選挙する仕組みがありましたが。国会にはまだ国民から議員を選ぶ仕組みがありませんでした。そこで政府に不満を持っていた人々が国民の政治参加を訴えたのです。
自由民権運動の中心になったのが高知出身の板垣退助(いたがき たいすけ)です。板垣退助たちは政治結社「立志社」を作り活動。後に自由党をたちあげます。そのため高知には多くの自由民権運動家がいました。楠瀬喜多も板垣退助に共感して運動に参加した人物です。
高知にいたころの牧野富太郎も自由党の当員でした。
楠瀬喜多(くすのせ きた)とは
喜多(きた)は天保7年9月9日(1836年10月18日)土佐国(高知県)で生まれました。
父は土佐で車力の人夫頭をしている袈沙丸儀平。
車力とは荷車を使って物を運ぶ運送業のような仕事。運ぶものは穀物や作物が多いです。そのためか穀物商だっという説もあります。
土佐藩の剣道指南役・楠瀬実と結婚。
ところが1874年に夫が死亡。二人には子供がなく喜多が相続。戸主になりました。
選挙に立候補するも拒否されて訴える
1878年の高知県区会議員選挙で立候補しようとしたところ「女性」を理由に拒否されました。
すると、なんと喜多は納税を拒否。「義務と権利は両立するはず。納税しているにもかかわらず、女性だからという立候補できないはおかしい」と高知県庁に訴えました。
県側は喜多の訴えを却下。すると喜多は内務省(警察や地方行政を管轄する国の役所)に訴えました。
内務省はこの訴えをうけて1880年9月20日。区町村会の選挙規定はそれぞれの区町村会が決めて良いことになりました。喜多の地元の上町町議会は戸主に限って女性の参政権を認めました。隣村の小高坂村でも認められました。
ところが1884年。政府は区町村会から規則の決定権を奪い選挙に出られるのは男性だけにしました。
「民権ばあさん」自由民権運動に参加
しかし喜多は板垣退助に共感していたこともあって板垣退助たちが作った立志社の自由民権運動に参加。
各地で活動を行い壇上に立って演説を行いました。高知だけでなく徳島や香川にも出向いて演説を行っています。
女性解放運動に熱心に取り組み「民権ばあさん」の名で知られるようになりました。
大正9年(1920年)。死去。享年84歳。
高知市上町2丁目の高知市立第四小学校の校門の近くには「婦人参政権発祥之地」の石碑が立っています。
ドラマ
らんまん 2023年、NHK 演:島崎和歌子 役名:楠野喜江
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