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らんまん:槙野綾のモデルになった人物・牧野猶とは?

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槙野綾(まきの あや)は2023年朝の連続テレビ小説(朝ドラ)「らんまん」の登場人物です。

演じるのは佐久間由衣さん。

主人公・槙野万太郎の姉。

実家は酒蔵を営む峰屋。家業の酒作りに興味をもちますが、女だという理由で酒作りに参加させてもらえません。

それでも酒作りを目指そうとする姿が描かれます。弟の万太郎、番頭の息子の竹雄とは支え合いながら生きていく良い仲間。

でも跡継ぎの万太郎は家業よりも植物研究に夢中。やがてそんな万太郎にかわって竹雄とともに峰屋を支えていきます。

槙野綾にはモデルになった人物はいるのでしょうか。

ドラマ「らんまん」の槙野綾と、彼女のモデルになった人物を紹介します。

目次

ドラマ「らんまん」の槙野綾とは

名前:槙野綾(まきの あや)
演:佐久間由衣
  連続テレビ小説「ひよっこ」に出演。

主人公・槙野万太郎の姉。

酒蔵や酒造りに興味がありますが、女だという理由で酒蔵には入れてもらえません。

時代が明治になり佐川に小学校が開設されると身分や性別に関係なく学校に通うことができるようになりました。女性も綾も万太郎と一緒に小学校に通います。やがて成長した綾には次々と縁談話がやってきますが。酒作りを飽きられられない綾は縁談を断りました。

跡取りに生まれながらも酒作りに興味がなく植物に興味を持つ万太郎。それに対して酒作りがしたくてもできない綾の立場がどう描かれるのもドラマのみどころ。

番頭の息子・竹雄は綾のことが好きですが立場があるので気持ちを打ち明けられません。

一方、酒作りを希望する綾は幸吉に麹作りを教えてもらいます。綾と幸吉は親しくなっていき、綾は幸吉に想いをよせるのですが。そんな二人に万太郎が複雑な思いになることも。でも幸吉と綾が結ばれることはありません。

やがて綾ははっきりと酒作りがしたいと皆のまえでうちあけ。東京で植物学の道に進む万太郎に替わって、綾は竹雄とともに峰屋を守っていくことになりました。

綾は竹雄と結婚。正式に峯屋の経営者になります。

その後は酒税の改正に苦しみながらも経営を続けましたが。

ある日、火落ち菌という特殊な細菌が酒倉で異常繁殖。酒作りができない「腐造」になってしまいます。

火落ち菌が発生すると酒の味は失われ。日本酒として飲めなくなります。菌の影響はすぐには消えず、酒蔵にとっては廃業に追い込まることもあるほど致命的なものです。

ただでさえ資金繰りが苦しいなかでの腐造に、綾と竹雄は峯屋での酒作りを断念。分家と相談して家と土地を売り、峰屋の歴史は終わりました。

二人は再出発することになります。

 

昔から酒作りの世界は女性の立ち入りが厳しく禁止されていました。江戸から明治になったばかりのころは。昔の風習が続いているので綾が酒作りに関わるのは現代人が思う以上に大変です。そんな境遇で綾がどのように生きていくのか楽しみですね。

 

槙野綾のモデルは牧野猶?

槙野万太郎のモデルになった牧野富太郎は一人っ子でした。姉はいません。

だから槙野綾は架空の人物といえそうです。

牧野富太郎にはいとこの牧野猶(まきの なお)という人がいました。

牧野富太郎の実家で酒屋の岸屋(峰屋のモデル)を守っていたのは祖母の浪子でした。浪子が死んだ後。名目上のオーナーは牧野富太郎でしたが。実際に岸屋を経営していたのは番頭の和之助といとこの猶(なお)です。

牧野富太郎は家業を継がないばかりか財産を使ってしまいます。

岸屋の経営もうまくいっていません。

結局、岸屋は経営難になりました。富太郎は借金の整理をすると苦労をかけたことを和之助と猶他に謝罪。岸屋の経営権を和之助と猶他に渡したのでした。

この牧野富太郎のいとこの牧野猶が槙野綾といえそうです。

牧野富太郎のいとこ・牧野猶(まきの なお)

猶は岸屋で祖母の浪子を支える

牧野猶(なお)は牧野富太郎のいとこ。

富太郎が子供のころから岸屋に手伝いに来ていました。万太郎が家業を手伝わず東京に行って植物の研究をしている間。猶は岸屋で働き祖母の浪子を支えていました。

猶と富太郎が結婚、しかし続かない

富太郎の祖母・浪子は富太郎と猶を結婚させようと思っていました。まわりの者も二人は結婚するものと思っていたようです。

最初の東京行きから戻ったあと富太郎は祖母の強い要望で猶と結婚。このとき自分のやりたいことを貫いてきた富太郎は珍しく祖母の願いを聞き入れました。

しかし富太郎は植物学をどうしてもあきらめられません。

結局、夫婦関係はわずか2~3年で終わり。富太郎は植物学のため東京に行ってしまいます。

番頭の和之助ともに岸屋を支える

富太郎がいなくなった後も猶は浪子とともに岸屋を支えました。

浪子の死後は猶は番頭の井上和之助とともに岸屋を切り盛りしていました。その一方で、猶は東京にいる富太郎にもお金を送りました。

東京に行った富太郎は小沢寿恵子と知り合って同棲を始めます(入籍はしていない)。当時の手紙を見ると寿恵子と猶はお互いの存在を知っていて。寿恵子は猶に気を使っている様子がうかがえます。猶が寿恵子をどう思っていたかはわかりません。

しかし岸屋の経営は悪化。ついに猶は東京にいる富太郎に送れる資金はないと手紙を出します。このときの猶の手紙はもう親戚への手紙といったかんじで他人行儀です。

驚いた富太郎が岸屋に戻り経営が予想以上に悪いことを知り、富太郎は迷惑をかけたことを謝罪します。

番頭の井上和之助と結婚

富太郎は岸屋を井上和之助と猶に譲渡。猶は井上和之助と結婚。岸屋は井上の店として再出発しました。

井上和之助と猶はしばらくは佐川で酒作りをしていました。

やがて酒蔵を止めて佐川の奥で醤油屋を始めました。その後、静岡の焼津に移転。

昭和25年(1950年)。猶はこの世を去りました。

猶と井上和之助が売った酒蔵はどうなったかというと。

酒蔵にもおどろきの歴史があります。

牧野家の酒蔵が坂本龍馬ゆかりの商家に受け継がれる

明治38年(1905年)。井上和之助と猶の酒蔵は竹村源十郎という商人が買い取りました。佐川の酒蔵は黒金屋(竹村家の屋号)の店として再々出発します。

牧野富太郎が育った家や酒蔵も昭和までは残っていたようです。でも台風で多くが倒壊。残っていた最後の一棟も平成の台風で倒壊しました。

竹村家も古くから続く商家。高知の酒元・才谷屋から酒造権を買い酒造りにも取り組んでいました。竹村家の店は現在でも高知県佐川町で「司牡丹酒造」として続いています。

才谷屋と黒金屋はお互いに婚姻関係をむすび親戚になっていました。才谷屋は坂本龍馬の本家ですから。牧野富太郎が手放した岸屋はめぐりめぐって坂本龍馬の本家と関係のある家に受け継がれたわけです。

「司牡丹」は坂本龍馬も飲んだ酒と言われ、高知でも有名です。(坂本龍馬が生きた当時は司牡丹という名前ではありませんが店はありました)

富太郎が生きた当時の建物はなくなっても酒蔵としての歴史は高知を代表する酒蔵に受け継がれたようです。

 

こうしてみると。確かに牧野富太郎には姉はいませんでした。

ドラマの綾は万太郎の姉になっていますが、劇中でも従姉弟だったことが明かされます。

富太郎には猶といういとこがいて岸屋を手伝い、祖母・浪子の死後は番頭の和之助と一緒に店を守っていた。

まるでドラマの竹雄と綾にそっくりです。

ドラマの綾が史実の猶と違うのは綾が積極的に酒作りに関わっていること。猶は酒作りの現場にはいませんでしたが。店の経営には関わっていました。

綾のモデルはいた。といえそうですね。

最近の朝ドラは重々しい話は避け、明るい物語が多いです。「らんまん」は牧野富太郎の周囲の人物を参考にしながらも前向きにハッピーに脚色したもの。「らんまん」は牧野富太郎そのもののドラマ化ではありませんから。猶と綾が違うのは当然です。

猶の存在を参考にして、明治の世を生き抜く前向きで元気な女性にした人物が慎野綾かもしれません。

 

牧野富太郎や坂本龍馬ともゆかりのある司牡丹酒造から牧野富太郎にちなんだお酒が発売されています。興味のある方はどうぞ。(坂本龍馬にちなんだ日本酒もあります)

 

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