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虎に翼:花岡悟の紹介とモデルになった?山口良忠とは

虎に翼

花岡悟(はなおか さとる)は NHK朝の連続テレビ小説(朝ドラ)「虎に翼」の登場人物。

ヒロイン・猪爪寅子が進学した明律大学でともに法学を勉強する男子学生。

演じるのは岩田剛典さん。

花岡悟は最初は爽やかで寅子たちに理解があるように振る舞うのですが。実はある価値観をもっている人物。寅子はそんな花岡悟に違和感を覚え対立もしますが、やがて気になる存在に。

そして卒業後の花岡悟にはある事件が起こります。そのモデルになったのは裁判官の山口良忠かもしれません。

 

ドラマ「虎に翼」の 花岡悟とモデルになったかもしれない山口良忠を紹介します。

目次

ドラマ「虎に翼」の花岡悟とは

花岡悟(はなおか さとる)
演:岩田剛典

寅子たちが進学した明律大学法学部で一緒に学ぶ学生。

男子学生の中心的な存在。一見すると紳士的に振る舞う爽やかな好青年。法学部に入ってきた女子学生に理解を示し、彼女たちを立ててあげます。女性からも人気があります。

でも実は自分に自信がなく、女性に理解のある人を演じているだけ。そうすることで自分はいい人だと優越感を感じています。

でも寅子と出会ったことでそんな自分を見つめ直すきっかけになり。花岡も変わってきます。そして寅子にとっても気になる存在に。

実際には男子学生との交流はあまりない

猪爪寅子のモデルになった三淵嘉子は明治大学専門部女子部卒業後、明治大学に進学。男子学生と一緒に法律を学びました。でもそのころは男女が気軽に話せる雰囲気ではなく。三淵嘉子たち女子部出身の学生と男子学生との交流はほぼなかったようです。

なので寅子が明律大学に通っている間のエピソードはドラマオリジナル。

花岡悟の特徴

偽善者?

男女平等。女性を尊重。と言っても口先だけ。内心では女性を見下している人はよくいます。

男尊女卑の世の中だからあえて女性に理解を示していい人を装う。花岡悟は最初はそんなそんなキャラとして登場します。

「レディファースト」は地位の高い女性に敬意を行動で表してよくできた男を演出する方法として生み出されました。だから男女平等を目指しているわけではありません。

「レディ(淑女)ファースト」は「ウーマン(女性)ファースト」ではないのですね。

花岡にとって大学に通って学んでいる寅子たちは「特別な女性」だから特別扱いしている。でも全ての女性にそうしているわけではありませんし、本当の意味で女性が男性と対等とは思っていません。

世の中で弱者とされている人を「助けてあげたり理解してあげる」ことで自分がいい人だと思われたい人はいます。他人を自分を演出する道具に利用しているのですね。

ドラマだと男尊女卑の時代なので女性に理解するふりをしていい人を装う人が登場します。他にも民族・宗教、現代だとLGBTQなど様々な問題があります。花岡のような偽善者はさらに増えているでしょう。本気で取り組んでいる人には気の毒ですが偽善やファッションでそういう態度を取る人もいるのです。

だから学生時代の花岡悟は誰が決まったモデルがいるわけではなく。そういった人たちを象徴する存在として描かれているようです。

とはいえ。花岡悟はただの偽善者ではありません。

自分に自信がないので偽善的な振る舞いをしていました。でも寅子や梅子たちと出会い、これで良いのかと自分を見つめ直し、彼自身も変わっていくのです。

やがて本気で寅子の生き方を理解する。と思いたいですが、どうなるのでしょうか。

また、そういった価値観を象徴する存在とは別に。

三淵嘉子が生きた時代に裁判官だった人の中に花岡悟の設定に影響を与えたのでは?と思える人もいます。

花岡悟のモデル? 山口良忠とは

それが山口良忠(やまぐち よしただ)です。

山口良忠は昭和の裁判官。ある事件を起こした人で有名です。

山口良忠は1913年(大正2年)11月16日。佐賀県杵島郡白石町で生まれました。

佐賀高等学校(旧制)、京都帝国大学を卒業後。高等文官試験司法科試験に合格、判事になりました。

1942年(昭和17年)。東京民事地方裁判所に転任。

闇米の問題を扱う部署に配属される

1946年(昭和21年)。東京区裁判所の経済事犯専任判事になりました。

山口良忠が配属された部署では闇米の問題を扱っていました。

戦争が終わり戦いはなくなりましたが、今後は食糧不足になりました。

戦後厳しかった食糧事情

日本国内では戦時中よりも戦後の方が食料不足に悩まされました。というのも戦争が終わって戦地にいた人が続々と日本に戻ってきたからです。食料がぎりぎりの所でやりくしいていた所に急に数百万人の人たちが戻ってきたので食べ物が足りません。

大蔵大臣の渋沢敬三は昭和21年には1000万人が餓死するのではないか?と記者に語ったほどです。GHQはなかなかその実態を認めようとしませんでしたが。日本政府の要請にアメリカもようやく食糧事情が厳しいのを認めて食料支援を行いました。また国内でも食料の闇取引は厳しく罰する事になりました。

とはいえ、すべての国民に食料が十分いきわたるわけではありません。闇取引に手を出さなければ生きていけない人も出てきます。というより東京では配給だけでは生きていけません。程度の差はあっても多くの人が闇米を入手して命を繋いでいました。

闇米を拒否して命を落とす

山口良忠は闇取引に関わった人たちの裁判を担当しました。

山口良忠は真面目というか正義感の強い人で。自分が闇取引で捕まった被告の裁判を担当するのだから、自分が闇米と食べるわけにはいかない。と考え、全く闇取引に手を出しませんでした。

とはいえ都市部では配給だけでは生きていけません。

山口には妻と子供2人がいました。山口は配給された食料は子どもたちに与え、妻と2人でおかゆをすすって生きていました。

親戚や友人が気の毒に思って食料をわけてくれましたが、山口はそれも口にしません。自分で畑を耕しイモを栽培していましたが、すぐに十分な量の食料ができるわけではありません。

山口は栄養失調になり体に異変がおきますが、それでも仕事は続けました。

1947年(昭和22年)8月27日。山口は裁判所で倒れました。

山口は東京を離れ、故郷の佐賀県白石町に戻り療養生活を送りました。故郷に戻ってからはハイキュー以外の食料も口にするようになりましたが、すでに手遅れ。

10月1日。栄養失調が原因の肺炎で亡くなってしまいます。享年33歳。

山口が闇米を拒んで餓死したことは新聞に載りました。

彼の死については賛否両論ありました。彼の行動を褒め称えるものから、バカ正直すぎる、制度への批判など様々な意見が出ました。

山口良忠は自分が死ぬとわかっていても忠実に法を守りました。かといって闇取引した人に厳しい判決を言い渡したのかというとそうではありません。当時の食糧事情を考えて、被告にも同情的で不当に厳しい判決はしなかったといわれます。

一見すると山口良忠はドラマの花岡悟とは関係なさそうに思えるかも知れません。山口良忠の生涯が花岡悟のエピソードにどう影響しているのでしょうか?

気になりますね。

ちなみに三淵嘉子と山口良忠は関わりありません。

猪爪寅子と花岡悟の関わりはドラマのオリジナルです。

 

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