NHKの朝ドラ「らんまん」に志尊淳(しそん・じゅん)さん演じる井上竹雄というキャラクターが登場します。
竹雄は主人公・慎野万太郎のよき相棒。
万太郎の実家・峰屋の番頭の息子。若当主の慎野万太郎を支える苦労人です。
ドラマ「らんまん」の竹雄はどのようなキャラクターなのでしょうか?
竹雄にはモデルになった人がいたのでしょうか?
ドラマ「らんまん」の竹雄
志尊淳(しそん・じゅん)さん演じる井上竹雄は造り酒屋・峰屋の番頭の息子。
父は岸屋の番頭の市蔵。
万太郎の祖母・タキに命じられて万太郎に仕えています。
万太郎を 若(わか)と呼び。「この人をワシが守る」という気持ちで万太郎に尽くしています。
時代は明治になったといっても江戸から続く雰囲気が残っているので。万太郎と竹雄には主人と従者のはっきりした上下関係があります。でもそこは幼いころから一緒に育った者同士。仲間のような信頼感と一体感があります。
事前の番宣では万太郎と竹雄は「バディ」と表現されていました。心の通じ合うコンビ・相棒といったところでしょうか。
家の仕事をせず遊んでばかりのダメ若様をお守りしながら、仕方ないなと思いつつもいつも面倒見ています。若様が道に迷ったときには叱咤激励もします。
峰屋の娘・綾には恋心をもっています。でも番頭の息子という立場のために自分の想いを伝えられません。
万太郎と竹雄、綾は三人一緒。ひとつのチームのよう。でも竹雄は東京で植物学の道に歩む決心をしました。綾は高知に残ります。
そのとき竹雄は竹雄についていくか綾のいる峰屋を守るか決断を迫られることに。
そして綾との関係がどうなるのかも「らんまん」の見どころです。
竹雄のモデルは?
竹雄のモデルはいるのでしょうか?
番頭の息子・熊吉
慎野万太郎のモデル・牧野富太郎の実家・岸屋の番頭だったのが佐枝竹蔵という人。佐枝竹蔵は有能な番頭で店のためによく働いていました。
竹雄の名前は番頭の「竹蔵」から来ているのかもしれません。
竹蔵には息子がいて熊吉(くまきち)という名前でした。
牧野富太郎とともに内国勧業博覧会に行く
熊吉は富太郎と歳が近かったのでしょう。富太郎が19歳のとき東京で「第2回内国勧業博覧会」が開かれました。内国勧業博覧会は国が主催して開催した博覧会。経済を活性化させて豊かな国にするため、国内の様々な物産や製品を展示。日本の国内外から来る人達に見てもらい今後の商売や産業にいかしてもらろうというものでした。
富太郎は表向きはその内国勧業博覧会を見学するという目的で東京に出ます。富太郎個人は東京で売っている顕微鏡が欲しかったので、そちらが本命だったのかもしれません。富太郎の東京行きに同行したのが番頭の息子・熊吉でした。あと峰屋の会計係も同行しています。
当時は高知から東京に行くのは外国に行くようなもの。富太郎・熊吉・会計係の三人は盛大に見送られて、蒸気船で神戸に向かい。神戸から京都までは蒸気機関車。京都から四日市までは徒歩。四日市から横浜までは蒸気船で向かいました。三人は蒸気船や蒸気機関車に大はしゃぎ、東京の賑わいにも驚きました。
そして三人は内国勧業博覧会を見て。富太郎は顕微鏡を買って無事目的を達成して帰ってきました。
実際の富太郎にも熊吉というよい仲間がいたようです。
番頭の井上和之助
もうひとり竹雄のモデルになったと思われる人物がいます。井上和之助です。
牧野富太郎は実家の岸屋には一切関わらず、東京で植物の研究をしていました。その間、祖母の浪子が岸屋を経営していましたが。浪子を支えていたのが番頭たち店の人達でした。
やがて竹蔵は独立して自分の店を始めました。たぶん熊吉も竹蔵の店で働いたのでしょう。
そのあと番頭になったのが井上和之助です。
浪子の死によって富太郎が店を継ぐかどうか迷ったこともありましたが。結局、富太郎は店を継ぎません。和之助が店を支えました。
富太郎のいとこ・猶とともに岸屋を経営
岸屋の経営は番頭の和之助と富太郎のいとこ・猶(なお)が行っていました。
富太郎は経営には関わらないだけなく送金するように要求してきます。和之助と猶は富太郎に送金していました。
店は和之助と猶が切り盛りしていましたが。当主が不在の岸屋は信用力で劣り、富太郎への送金も重なって岸屋は経営難になってしまいます。
猶が富太郎に事情を話し。富太郎は迷惑をかけたことを和之助と猶(なお)に謝罪。岸屋の経営権を和之助と猶に譲り渡しました。
和之助と猶(なお)のコンビはドラマの竹雄と綾を思い起こさせます。
和之助と猶は結婚して二人で酒蔵を経営しました。
和之助は富太郎に迷惑をかけられてばかりの大変な番頭でした。和之助もドラマの竹雄のモデルになったひとりと言えそうですね。
その後、和之助と猶はしばらく酒蔵を経営していましたが、ある商店に酒蔵を売却。佐川で醤油作りをはじめました。その後、静岡の熱海に引っ越ししたといいます。
その売却先は驚きなのなのですが。詳細はこちら。
らんまんの竹雄は番頭の息子・熊吉と新しい番頭・和之助を足したような人物ですね。
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